負けじゃない、勝つ途中
- 関コーチ
- 13 分前
- 読了時間: 4分
以前もブログに書いたことがありますが、当スクールには『昇級テスト』なるものがあります。
クラスを学年ではなく、レベルで分けているので、人数調整と、レベルの均一化(同じくらいのレベルで練習するしやすさ)、子供のモチベーションなどがテストの目的と狙いです。
先日、スタンダードクラスからパヤパヤ倶楽部への昇級テストを実施しました。
3月に一度実施しましたが、合格者が1人だったので、もう少し昇級させてあげたいという思いと、パヤパヤ倶楽部入りを希望する問い合わせが多いので、まずはずっとパヤパヤ倶楽部昇級を目標にしている子たちからと思い、5/11(日)に実施しました。
スタートアップクラスからスタンダードクラスへの昇級試験とは、ぐんとテスト内容のレベルも上がるもので、そう簡単には合格できません。
子供たちにとって、テストはすごく大きいもののようで、チームに所属している子たちで言えば大会並みの緊張があるようです。
スクールはチームではないので、大会などの目標がありません。部活やクラブチームに所属していない子供たちにしてみれば、そういった緊張感を味わう機会がないのです。
勝たなきゃいけない!どうしても勝ちたい!練習した成果を発揮したい!失敗したらどうしよう?結果次第で明暗が分かれる…そんな緊張感の中でプレーする空間を経験しながら、努力が報われる喜び、失敗して悔しい気持ち、油断で足元をすくわれることや、失敗から立ち上がり前を向くことなど、普段のレッスンでは味わえない非日常からの学びを経験できるということで、スクールのテストには一定の意義があると感じており、子供たちのモチベーションにもつながっています。
「絶対合格してパヤパヤ倶楽部いきます!」とか、「無理かもしれんけど自分の力を試してみたい」とか、いろんな声が聞こえました。
スクールの名物的なものでもある、片手お手玉や、2個パス、ジャグリングなど、バレーボールの技術とは直接関係のないことが第一関門となるのですが、つい最近までできなかった子が、どんどんできるようになっていく。家で練習してるんだろうな、努力してるんだなと、目に見えてわかりました。
小さなミスをして、「もうダメかも?」と思いながらも、最後まであきらめずにチャレンジする姿は、こみ上げるものがありました。
「なんでこんなテストくらいで緊張すんねん!」なんてからかったりもしましたが、子供たちは必死だったんです。そしてその努力が目に見えて伝わることで、審査する僕の心を動かしました。
人数調整の意図もあり、今後の新規参加の子など、いろんなことを考えて、今回の合格者は1人か2人くらいと思ってましたが、「全員合格させたい!」という気持ちに変わっていきました。
最終選考まで残った4人。正直「4人は多いな」と思ったので、失敗を見逃さないように…という見方で審査していましたが、最後には「失敗するな!全員ガンバレ!」と、いち応援団になっていました。
大人を動かす子供の力。試合で実力以上の力を発揮する姿を見たこともあると思いますが、それに似た感覚を、僕も経験できました。
合否を分けたのは、間違いなくサーブテストでした。『10本連続でサーブを入れる』
いつもなら失敗しない子も、数を重ねるごとに緊張が高まります。絶対入れなきゃいけない、みんなが見ている、失敗したら終わり…。極限の緊張感や油断が明暗を分けたと思います。
ここで半分が脱落。脱落した瞬間は放心状態になってしまった子もいました。しかし、そこで帰ることなく、最後まで一緒に頑張ってきた仲間を応援し、合格した子たちを称える姿は立派だったと思います。少し前なら、自分勝手で、他人には興味がなかった子たちの成長を見ることもできました。
バレーボールは『思いやりのスポーツ』と言いますが、それを身に付けることもできたと思います。
ほんの30分のテストでしたが、それぞれにドラマがあって、合格までの道のりはとても長く感じたと思います。
僕自身も、元気と感動をもらいました。合格した子供たちはおめでとう!
今回惜しくも合格できなかった子たち。『失敗じゃない。成功する途中』です。成功するために必要だったと思える日が必ずきます。また前を向いて頑張りましょう!
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